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エンディングノートのメリット・デメリット

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年2月13日

1 エンディングノートとはどういうものか

エンディングノートとは、ご自身が亡くなったときや認知症になったときなどの万が一に備えて、家族や友人に伝えたいことを記載しておくノートです。

エンディングノートは法的な手続きではなく、あくまでも本人が自らの意思で作成する文書になります。

2 エンディングノートのメリット

⑴ 書店やインターネットで入手可能

エンディングノートは、様々な会社から書籍として出版されていますので、書店やインターネットで簡単に購入することができます。

価格も、安いもので1000円以下、高いものでも5000~6000円と比較的安価に入手することが可能です。

⑵ 内容も非常に柔軟

遺言は、遺言者が亡くなった後のことについて書く文書ですが、エンディングノートは、亡くなった後のことはもちろん、亡くなる前のことも記載することができます。

例えば、認知症になった際の財産管理は誰に依頼するか、介護施設はどこにするか、医療情報や終末医療・延命治療についてなども記載可能ですし、“自分史”などを記載する欄が設けられているものもあります。

3 エンディングノートのデメリット

⑴ 法的な効力がない

エンディングノートの最大のデメリットです。

法的な効力がないということは、エンディングノートに書いたご自身の希望が実行されるかどうかはわからない上に、公的機関や金融機関では手続きを認めてくれないということです。

弁護士に依頼する場合、生前の認知症対策や介護対策のためには、財産管理契約書や任意後見契約書を作成します。

また、死後の相続については遺言書、葬儀やお墓等については死後事務委任契約書を作成します。

これらはいずれも法的な効力のある書面になりますので、受任者・任意後見人・遺言執行者がその内容を実行する義務があります。

また、公的機関や金融機関もこれらの書面に従って手続きを進めることになります。

⑵ 本人が作成したものと証明することができない

エンディングノートは、本人確認がなされないため、誰が作成したかわかりません。

他方で、財産管理契約書・任意後見契約書・遺言書・死後事務委任契約書などの書面は、いずれも作成時に弁護士や公証人が本人確認を行いますので、基本的には本人が作成したという証明ができます。

4 法的な書面とエンディングノートの内容を書き分けることがおすすめ

エンディングノートは、「法的な効力はないものの本人の希望が書かれている文書」になってしまうため、かえってご家族間での争いのタネとなってしまうおそれがあります。

そこで、遺言や相続に詳しい弁護士に相談し、認知症になった後や亡くなった後などに確実に実行したい内容は法的な文書を作成し、自分史や医療情報等などの家族に伝えたい想いの部分はエンディングノートを利用するなど、記載する内容を分けておくことをおすすめします。

うまく使い分けることで、残された家族が争う事態を回避しやすくなるかと思います。

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